pnダイオードを利用したMEMSアクチュエータの研究
理工学部 機械工学科
教授 鈴木 健一郎
共同研究者
理工学部 機械工学科
宮﨑 史登 /津島 卓史/ 旭 陽一 / 谷川 紘 上席研究員
研究内容
近年、微小電気機械システム(MEMS)の新たな技術革新が様々な分野に普及するようになってきた。その中でも、シリコン材料を利用した静電型MEMSアクチュエータは構造が簡単であることから小型化に適しており、今までに多くの研究がなされてきた。しかし、静電型MEMSデバイスの駆動に必要とされる狭い空間ギャップは、デバイス作成の困難さに加えて信頼性劣化という深刻な問題を引き起こす要因であった。
我々は、この狭い空間ギャップが不要な新型MEMSデバイスの開発と実証に成功した。
この新型デバイスは、pn接合に生じる空乏層内の電界を利用して、機械構造体を駆動するというものである。 空乏層が従来の狭い空間ギャップの役割を果たしている。また、共振器がシリコン材料のみで作製できるため高いQ値の実現が期待できる。今回Ring型デバイスの上下二つの半円領域にこのアクチュエータを作製し、レーザドップラ振動計を利用してその機械振動特性を評価した。また、実験データをマルチフィジックスシミュレータCOMSOLを用いて計算した振動モードおよび振幅の値と比較検討した。
応用例
・小型RF携帯機器:発振器、フィルタ
・高分解能振動型センサ:ガス成分、圧力
特許情報
特願2014-124763