描いたキャラクターの顔を自在に回転!CG不要の支援ツール
情報理工学部
教授 仲田 晋
3D空間は必要なし。顔回転数理モデルを用いて顔作画を支援
アニメキャラクターの顔の線画イラストを、指定した向きに変更するためのツールです。ユーザは線画の特徴的な点を指定し、そのあといくつかの補正作業を行うことで、顔の線画イラストを縦方向・横方向に回転できるようになります。
方法としては、7枚の標準顔回転モデル(図1)から、顔回転数理モデルを用い、各53点の特徴点座標を計測します。これにより、構造的に特徴のある箇所を学習し、対応する線が存在しない場合は仮想的なライン上に配置。特徴点間はスプライン曲線を用いて補間し任意の角度での回転を出力します。
オリジナルキャラクター(下記、ユーザー画像)の正面顔から53個の特徴点をとり(図2)、角度に応じた特徴点座標を数式化し回転を行います。ユーザーにより固有の修正を行い、標準顔回転モデルからユーザー画像の回転描画のズレは理想的位置に対して約5%以下という結果になりました。
新規性・優位性
●3次元CGによる映像制作に比べて工数を大幅に削減可能。
●アニメ映像の独特な描き方を再現するように設計。
●ユーザの補正処理によって、各キャラクターに特化した描画を実現。
応用・活用例
●イラストやアニメの制作における顔作画の支援。特に各キャラクターの下絵の作成や描画品質の保証に活用できます。
●サークル活動におけるイラスト・アニメ制作の支援。十分なスキルがなくても高品質な作品の制作を可能とします。
●アニメ映像の独特な描き方を再現する機能も持ち、作画の効率化や質保証、あるいは仮の下絵を短時間で制作可能となります。