青色光に反応する遺伝子発現スイッチ

~青色受容体「オーレオクロム」の機能研究~

生命科学部 生物工学科

助教 高橋 文雄

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研究内容

当研究室は、糸状の藻の仲間の一つフシナシミドロから、青色光受容能と遺伝子発現誘導能を併せ持つたんぱく質を世界で初めて発見し、それを「オーレオクロム」と命名した。そしてオーレオクロムは、光を受容する部分(LOVドメイン)とDNAに結合する部分(bZIPドメイン)からなり、2分子が結合して存在することを明らかにした。さらに、青色光を吸収するとLOVドメインの構造が変化し、その結果bZIPドメインの構造が変化してDNAへの結合能に影響することを見出した。オーレオクロムは光の吸収により、他の反応系を介さずに直接的に遺伝子発現を誘導する点が特徴である。また、オーレオクロムの生理機能を、フシナシミドロで検討したところ、その生長と生殖器官形成に関与していることがわかった。他の生物種での機能の解明はこれからの課題であるが、海藻の養殖や赤潮発生の抑制に応用できる可能性が期待される。

《オーレオクロム構造と転写誘導》

オーレオクロムは、光を受容する部分(LOVドメイン)とDNAに結合する部分(bZIPドメイン)からなり、2分子が結合して存在する。青色光の吸収によりDNAへ結合できるようになる。

《オーレオクロムを持つ褐色藻(昆布・ワカメの一種)への青色光照射の影響》

青色光照射強度(Low<Mid<High)が上がるにつれて褐藻の再生が促進された。

PRポイント

●オーレオクロムは青色光に反応して遺伝子の転写を誘導することから、遺伝子組換え体においてその遺伝子発現を青色光照射のON/OFFで簡便に制御する革新的な研究ツールを提供できる。

●オーレオクロムは、コンブやワカメなどの褐色藻、赤潮の原因の藻類の生長を制御する重要なスイッチであり、その生理機能を解明することは、養殖産業の革新および赤潮発生抑制方法の開発につながる可能性がある。

研究キーワード

青色光受容体 ・オーレオクロム ・転写因子 ・黄色植物 ・海藻養殖 ・赤潮抑制 

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