勾玉(まがたま)形風車で発電力UP!一家に一台、風をとらえる令和の神器

理工学部 機械工学科

准教授 吉岡 修哉

屋根上に設置できる小型の風車。昼夜を問わず、身近な風で自家発電!

いまや、屋根上の太陽電池による太陽光発電は一般的です。しかし、屋根上の風車による風力発電はほとんど実現していません。その理由は、風力による小規模発電が原理的に難しいからです。残念ながら、一家に一台の風力発電は未だ実現していません。

勾玉(まがたま)形風車は、これを実現します。勾玉形風車は、独自の勾玉形ブレードを持つ垂直軸風車で、小型でよく回ります。風向に関係なく回転するので、屋根上に置くだけで運用できます。そのため、身近な風力を発電に活用できるようになります。また、設置面積が1-2m四方の数キロワット程度の発電用風車に適しています。太陽電池パネルと同程度ですので、勾玉形風車と太陽電池を組み合わせることで、より安定した再生可能エネルギー電源を構築することができます。

出力試験中の勾玉形風車
風車まわりの気流の数値シミュレーション。ブレード上面で速度が速く圧力が低い。風に垂直な、上方向に力が発生する。ブレードが風上側に向かうにもかかわらず風車を回転させる力を発生できる。

新規性・優位性

風車を小型化すると回転半径が小さくなり、ブレードの周速度が遅くなります。そのためブレードが空気力を発生出来なくなり、出力が低下します。従来の風車では回転の維持すらも難しくなるので、小型の発電用風車には向きません。

本研究では流体制御技術により、風車の回転位置に関わらず、常に回転方向の空気力を発生できる勾玉形ブレードを新たに開発しました。この勾玉形ブレードを採用した勾玉形風車は、風の運動エネルギーを効率的に回転エネルギーに変換できます。

応用・活用例

勾玉形風車を地域に分散配置(屋根上に一家に一台)すれば、災害に強い再エネ電源システムを構築できます。地産地消型であることから、送電ロスも抑えられます。太陽電池パネルと併用して発電量を安定させることで、地域の電力消費を遠くの発電所からの送電に頼る必要がなくなります。再エネ電力の活用を売電から地産地消に替えることで、電力会社の出力制御による運用停止のリスクを無くします。

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